今回は異業種からIT業界へ転職した方のインタビューを紹介します。
ホテルのフロントスタッフ(25歳) → 中小のSES企業へ転職
以下、本人談です↓
私は、過去にIT業界で4年半勤務した経験があります。
前職はホテルのフロントスタッフとして2年半勤務した後、知り合いの紹介で中小のSES企業に転職しました。
未経験でIT業界に飛び込んだため、プログラミング言語はほとんど知りません。
また、一応参考書で数か月勉強はしましたが、付け焼刃的な知識では現場の業務に最初は全くと言っていいほどついていけませんでした。
そんな状況でもSESとして4年半勤務してこれた理由を実体験をもとにお伝えしていきます。
現在は別業種に転職していますが、私の経験が少しでもIT業界で働く皆さんのお役に立てば幸いです。
IT業界に転職して年収UP!
転職した理由は単純です。もっと給料を上げたかったからです。
ホテル業界は給料水準が非常に低い業界で、当時25歳の私の年収は230万程度で、ボーナスが出たことはありませんでした。
こんなに低い年収では、結婚や戸建ての購入は不可能だと思い転職を決心しました。
また、当時のIT業界の勢いは凄く、あらゆる物がどんどんシステム化され、世の中を変え始めていました。
この業界に行けば将来仕事に困らないだろうし、最先端の技術で世間の役に立てるかも知れない。そんな希望を抱きIT業界に飛び込みました。
結果として、IT業界に転職して年収は320万まで上がったので、給料を上げたいという当初の目的は達成しました。
しかし、同年代と比べても決して給料が高いとは言えません。むしろやすい方で、全然満足できる額ではありませんでした。
閉鎖的な空間でのPC作業が合わず・・・
IT業界を去った大きな理由としては、広く浅い経験しか積めず専門知識がなかなか身に付かなかったという事と、苦手な分野の仕事だと思ったからです。
転職先がSESという業態で、わかりやすく言うとエンジニアの派遣業です。
※SESとは、SESとは System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)の頭文字を取った言葉です。
客先に常駐して、システム開発を代わりに請け負います。
案件ごとに仕事内容と勤務先が変わります。
仕事内容が変われば、求められる知識や技術も変わるため、案件に合わせて毎回違う知識を勉強しなくてはいけません。
私がやってきた仕事はExcelを使った作業ばかりで、入社後2年くらいはプログラミングをさせてもらうことはできず、ひたすらテストを実施する案件や、銀行のシステム開発の案件ではずっとドキュメント修正をしていました。
やっとストアドプロシージャを作成してデータ移行する案件でSQLの経験を積めたと思ったら、次は基盤関連の案件でPMOというように、一貫性がなかったです。
広く浅く色々な領域に関わらせてもらいましたが、結果、得意分野と呼べる知識や技術は身に付きませんでした。
また、割と閉鎖的な世界でパソコンと長い時間向き合うのが性格的にあまり合っていませんでした。
得意なコミュ力で勝負
私はプログラミングのスキルは低かったですが、人との関わり方には定評があり、元々ホテルマンをしていて、日々色々な方と接していたのでコミュニケーション能力には自信がありました。
IT業界には人とのコミュニケーションが苦手な方が多い傾向があります。
逆に私は対人の方が得意なのでとにかく現場で味方を増やす事をしました。
ただ、”仕事上の味方”という意味で、単に仲良くなる事ではありません。
相手としっかり認識が合っているか確認したり、相手の状況を考慮した上でお願い事をしたり、先回りして相手の役に立つ事や、手間を減らす努力をしたのです。
お互いに作業があり、納期に追われています。
仕事の状況が違えば、生活環境や会社での立場や、その時の気分などそれぞれ違います。
その点を考慮して話しかけに行く事を心がけるだけで相手の反応は全然違います。
このように前職で得た知識や経験を活かすことが出来れば武器になりますし、IT業界に転職したとしても0からのスタートではありません。
プログラミングにばかり目がいきがちですが、結局は人との関わりなしに仕事は成立しませんし、社会人として報・連・相のような基本は変わりません。
ホテルにいた時はコミュニケーション能力が高くないといけませんでしたが、IT業界ではコミュニケーション能力が重宝されたのです。
仕事をするうえで、認識の違いはいくらでも発生していて、そこでしっかりとお互いの認識が合っているか確認できるだけで作業効率は上がります。
私はわからない事はどんどん聞きに行くタイプなので、作業開始前に確認してから取り掛かります。
対してAさんはまず自分で作業してみてから、もしくは、ある程度成果物が出来てから確認した場合では違いがでます。
Aさんの成果物が相手の認識通りであれば問題ないですが、認識が違った場合、やり直さなくてはいけないですし、なによりAさんに意図が伝わっていないという問題を解決するために、時間を割かなくてはいけせん。
納期が間近だったら困りますね。
これはコミュニケーション不足により発生しています。
このような事が続くと、今後も同じように認識のずれが発生するかもしれないという不安を相手に与えます。
必要であれば、怖い上司など話しかけづらい方にも質問しなければいけません。
普通なら嫌かもしれないですが、ホテルマン時代に、会社の社長さんやお怒りのお客様との会話など色々な経験してきた私には何でもない事です。
コミュニケーション不足で失敗するほうが嫌でした。
これが出来るだけで仕事の効率だけではなく、人間関係も円滑に進みます。
この人に任せておけば大丈夫。もし困ったら聞きに来るだろうし、これまでも変な成果物を上げてきたことはない。と信頼してもらえるのです。
あなたならどちらに仕事を任せたいですか?
答えは聞くまでもないですね。
このように自分の得意分野や、その場では長所になり得る事を活かす事は転職において非常に大事です。
”異業種だから0からのスタート” にしてしまうのはもったいないです。あなたには社会人経験やIT業界以外での経験や知識があるはずです。
ぜひ異業種での経験と、あなたの得意分野や長所を活かして下さい。
キャリアに応じて専門知識は必須
とはいえIT業界で働くうえで、専門知識は必須です。
どのようなキャリアを描いているかによりますが、基礎となる資格は取得しておくとあなたの能力を形としてアピール出来ますし、どうせ勉強するのであれば、資格として形に残すと良いと思います。
まずは、基本情報技術者の資格取得を目指すのがおすすめです。
この資格は広くITの知識を得られますし、基礎の基礎なので、IT業界で働くのであればいずれ取得しなければいけない資格の一つだと思います。
何も資格がないのであれば、最優先で取得するべきです。
また、キャリアアップの上で必須といっても良いくらい基本となる資格ですので、日々の業務の合間に取得を目指してみてください。
あとは現場で使用しているスキルを深堀するという事です。
例えばSQLを現場で使用しているのであれば、オラクルマスターやIPAデータスペシャリストなどの取得を目指すと良いと思います。
日々の業務でも活かせますし、作業効率の向上にも繋がるので、現場で使用しているスキルの深堀の方が現実的ですね。
私のように案件が数か月で変わってしまう方は、ベースとなる基本情報技術者の取得か、将来ご自身がなりたいキャリアプランに沿った資格を取得するのがよいでしょう。
資格取得は大変ですが、リターンは大きいですのでぜひやってみてください
まとめ
IT業界に異業種から転職したとしても”0からのスタート”ではないという事を覚えておいてもらいたいです。
あなたには過去の職歴で経験を積まれていますし、あなたにしかない得意分野や長所を持っています。
また、どんな仕事をするにしても、自分の得意分野で勝負するほうが勝率は高いはずです。
専門知識を取り入れることに加えて、あなたの得意分野で勝負するにはどうすれば良いかを考えて試行錯誤していくと今後仕事が上手くいくのではないかと思います。
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